血が吹く脇腹を押さえて、ふらりとうろつく足で立ち上がる。

「・・っふ、あ゛・・・」

ふらり、ふらりと滴った血の上を歩く。ぴちゃりぴちゃりと跳ねる赤は美しく咲く。その手前に転がる鉄クズ。
あぁ・・、人が死んだのか・・。

「あッ・・・・」

鉄クズに足元を掬われ、水溜りの中に没す。もう霞んだ景色しか捉えられない眼前に、赤が舞い込む。

「・・ぁ゛、う・・・・」

倒れてしまった。あぁ、腕に力が入ればいいのに。このまま死んでしまうのか。死んでしまうなんて考えたくも無い。滅してしまうなんて思いたくも無い。

「ねぇ・・?」

私の頭へ銃を向ける彼に向かって語りかける。彼は、私から銃を離そうとなんてしない。

「何・・、死にたいの、」

銃を持つ手が少しだけ揺らぐのが分かった。銃弾が、装填されてもなお、疼いている音がするから。

「死にたい、なんて・・・。馬鹿みたいに怖いでしょう」

銃口が、迫る。脅しだ。此処で、立ち上がらなければきっと私は死んでしまう。滅んでしまう。
彼の声は、まだ上から響く。

「・・・何で・・?君はまだ、死なんて知らないでしょ・・・?」

あぁ。だからこそなのよ。
死を知らないから、恐ろしいのよ。

「何で・・、こんな・・・?」

上から、滴がぽたぽたと降ってくる。あぁ、これは涙なの?
それでも、これが降ってきた雨だって思わせて。

私が、死んでしまいそうになるから。


在り手の厭い、

亡くての偲び。


(いつもは僕を哂って罵っていた君なのに)